日記

どこにでもいる人の、ありふれた日記です。

トウキョウで泣きそうになってしまった

今日は仕事で東京に行ったんだけど、泣きそうになってしまった。
私と同じくらいの人が首から社員証を下げてビルから出てくるから。少し髪を染めて、髪の毛を巻いたりしてるところも耐えられない。東京のオフィスビルでお昼を食べたんだけど、みんな楽しそうにお店に並んで、ご飯を食べていた。エスカレーターを降りてるときに、ふと前を見たら、大きな鏡に猫背の田舎者が映っていて、また泣きそうになってしまった。
きっとみんな、私の知らない仕事をしている。

仕事が終わって、偉い人と2人でご飯に行ったんだけど、有名な、高級レストランを予約してくれていた。そんなレストランに連れてかれて、私は田舎者だから、ずっとオドオドしていた。ああ、涙が出てきた。夜景の見える席に案内されて、席には、たくさんのナイフとフォークが置いてあった。体がカッと熱くなって、思わず「私、テーブルマナーとか、全く分からないです」という言葉が口をついて出た。そうして、確か、ナイフとフォークは外側から取るのですよね、とか何とか言っていたら、偉い人はウエイトレスに、「これって、内側からでしたっけ」と聞いた。ウエイトレスは親切に教えてくれたけれど、きっと、偉い人は本当は分かっていて、私に恥をかかせないようにワザと聞いたんだと思う。それから料理が運ばれてきたのだけど、高いから美味しいはずなのに、何も食べた気がしなかった。いろんな話をしたけれど、偉い人というのは、やっぱり他の人とは違うから偉くなるわけで、とても有益な情報を教えてくれたりした。その代わり、私はつまらない話しかできなかった。偉い人は、私がつまらない話をしてる間、心ここにあらずといった感じだった。話を聞くたびに、話をするたびに、自分の価値を思い知らされて、どんどん逃げ出したくなっていった。
あんなにすごいお店と、あんなにすごい人を前にして、私の自尊心はボキボキに折れていた。あれでは、見世物だ。あんまりすぎる。ああ屋台のラーメンが食べたいな。
食事は前から決まっていて、昨日からお箸の持ち方を練習してたのだけど、そんな問題ではなかった。
本当に、つらかった。