日記

どこにでもいる人の、ありふれた日記です。

会社を辞めることにした

「残業が100時間超えたくらいで辛くなっちゃったんですよね、ゆとりなので。いえ、残業だけが原因ではないんです。きっと、一部の人だけ時間外労働が多いということは、私たちが仕事ができなかったんですよね。だから、仕事量は変わらないのに無理矢理早く帰らされたりして、命を削って働いた残業時間と相殺させられるんですね。普通の人なら、無視されたり八つ当たりされても平気なんでしょうけど、ゆとりだから頑張れなかったんですよね。」

何度も何度も何度もはんすうしていたけれど、実際に絞り出てきたのは全部私のせいなんです、という滑舌が悪くて吃りがひどく聞き取りにくい言葉だけだった。

一年前に入社した会社を辞めることにした。会社を辞めたいという気持ちは入社当時からあって、私も新卒で入ったわけではないので合うか合わないかは初めの一カ月も見てれば分かる、最初からなんだか上手く行かなそうだなと思った。しばらくは頑張っていたけれど、二、三か月経った頃には時たま家にいるときに涙が出るようになってきた。それは日曜日に顕著で、夕方から真っ暗になるまでうつ伏せになったまま動けなくなってしまった。朝になると目は覚めているのに、布団から動けなくなってしまった。半年も経つと、月曜日は必ずひどい頭痛と吐き気で1日体調が悪かった。金曜日になるにつれて体調は良くなってくるけれど、休みを挟むとまたリセットして体調が悪くなってしまうので、こんなに辛いなら休みなどいらないと思った。他の症状は、なんだか過去に書いた気がするので、割愛。

しばらくこんなことが続いて、最近ついに仕事を減らされたので、ああ言うならば今しかないと思った。とてもとても考えて、第三者の意見もしっかり聞いた。もう辞めようと決めたら早かった。部長に伝えたら、もちろん引き止められた。査定が下がるので。いろいろ言われたけれど、考えを変えるつもりはなかった。ここまで来たら後もどりなんてできなかった。次の日人事部長と話をしたけれど、同じことを繰り返し伝えた。人事部長は、まだ優しくて、まともな人だと思ったので、ずっと思っていたことをほんの少しだけ話した。最後に、個人的にはもうちょっと頑張って欲しかった、と言われて、その通りだなぁと思った。面接の時に、私が弱いこと見抜けなかったのは可愛そう。私は、別にキャリアアップしたいわけではなかった。自分の時間をすべて仕事や勉強に充てて、スキルを磨きたいわけでもなかった。

退職の話は、まだ正式に受理されていない。今週の初めにそれを伝えて、それからはストレスの原因となる上司の機嫌が良かったり、いつもより早く帰れていたり、仕事の負担がへったりしてるからなのか、辞めると伝えてゴールがはっきりしたからなのか分からないけれど、だいぶ気持ちが楽で、あんなに毎日家で泣いていたのに、涙が出なくなった。とても辛かったはずなのに、それをすっかり忘れてしまって、退職の意思を伝えたことは時期尚早ではなかっただろうか、などと思い始めてる。馬鹿だな。こうやって行き当たりばったりで、何が正しいのかわからないままここまできてしまった。本当に、もう充分ひと通り経験した。そろそろ、セミとかに転職して、土の中でゆっくり考えて、大好きな夏になったらただ生きることだけに精一杯になって死にたい。