日記

どこにでもいる人の、ありふれた日記です。

整体行ったつもりが血を抜かれてた

先週くらいからめまいがひどくて、全く仕事にならなかった。今が一年で一番忙しくて、一番大切な時期なのに。仕事をしようとするとふわふわして、一時間で終わる仕事を半日かけて終わらせたこともあった。
本当につらかったので、昨日仕事を早めに終わりにして病院に行ったら、ケイケイなんとかだと言われた。難しくてよく覚えてないのだけど、肩とかが凝っていて、めまいを起こしてるらしかった。ビタミン注射をして、薬を貰ってきて、もうすっかり解決した気持ちで今日仕事に行ったら、やっぱりめまいは治っていなかった。お医者さんは、一週間くらいで良くなると言っていたけれど、それでは遅かった。藁にもすがる思いで、インターネットで整体を検索して、適当なところに電話をした。そこは、私の住んでる市にあったのだけど、初めて入った地区だった。細い道が入り組んでいて、風俗店ばかりだったので、日曜日の午後はとても静かだった。カーナビを見ながら辿り着いたんだけど、風俗街には目立つ一軒家で、窓ガラスにテープで「はり、整体」と文字が書いてあった。二階の窓は紙かなにかで目張りしているようで、何も見えなかった。玄関のインターホンを鳴らすと、「どうぞ、お入り下さい」と中から聞こえたので、ドアを開けた。玄関には、ガリガリのおじいさんが、子猫を抱いて立っていた。子猫は、私を見てずっと鳴いていた。案内された部屋は、アジアンテイストで、ベッドが2つ置かれていた。紙に、名前と住所などを書いて、症状を説明したけれど、おじいさんは、私の話を最後まで聞かないまま、わかりましたとだけ答えて施術に入った。パジャマみたいなのに着替えて、ベッドに横になった。最初は、頭に手ぬぐいみたいなものを乗せられて、頭をずっとゴリゴリされていた。途中おじいさんが急に席を立ったなとおもったら、取って付けたようなリラックス系の音楽が流れてきた。戻ってきた時おじいさんは手に携帯(ガラケー)を持っていて、相変わらず頭をゴリゴリされてるんだけど、それと同時に携帯をポチポチ操作する音が聞こえてきたので、右手で私の頭を、左手で携帯をいじっていることが分かった。おじいさんが携帯で何をしていたのか考えてみたけど、メールを打つ・小説を読む・ツボを調べている くらいしか思い付かなかった。とても不安になって、ここに来たことを少し後悔し始めたけれど、猫を抱っこしていたことを思い出して、踏みとどまっていた。動物好きに悪い人はいない。
しばらくして肩と腰に移動して、かなり強くやられていた。とくに左肩がすごく痛くて、叫んでしまいそうだったけれど、目をきつくつぶって我慢していた。おじいさんがふと「背骨がかなり曲がっているね」と言ったので、ああ、ヤブではなかったと安心した。私の妄想は、女性の頭をゴリゴリしながら性的な画像を携帯で見ることに興奮を覚えるおじいさんとまで及んでいたから。そのあとしばらく背骨を矯正されていたんだけど、「うつ伏せになって下さい」と言われてからしばらくほうっておかれていた。パーテーションの向こうでカチャカチャと金属音がしていた。おじいさんが戻ってきて今度は肩を揉むのかなと思っていたら、いきなり鋭い痛みに襲われた。鍼治療をしているらしかった。鍼治療は初めてだったし、何も言わずに開始されたのでとてもびっくりしてしまった。鍼治療は、最初に鋭い痛みがあったあと、内側から筋肉を針でかき回されているような痛みがあった。ハンターハンターの、針で脳みそをいじくられてるシーンがずっと浮かんでいた。




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針で脳みそをいじくられてるシーン


本当に痛くて、気分が悪くなってきたけれど、これでめまいが治るならと、頑張って耐えた。一通り肩を針でやられて、ほっとしていたら、今度はさっきの3倍くらいの勢いと痛みで首の後ろに針をさされた。思わず「ウッ」と言ってしまった。そのあとはかき回されることはなく、刺した部分をつまんだり離したり、まるで何かを絞り出しているような動作をされていた。音楽はもう止まっていて、静かな室内でジャリ、ジャリ、と髪の毛を巻き込む音だけが聞こえていた。もしかして、間違えて針を体の中に入れてしまって、慌てて出そうとしているのかなと思った。少しして、絞り出す動作は終わって、おじいさんが私にティッシュを見せてくれた。ティッシュには、血がべっとりとついていて、私の首の後ろから出たものだとわかった。血が溜まっていて、それがめまいを起こしていたのだと教えてくれた。血抜きは三回やられて、全て刺されるときに声を発してしまった。終わった時には一時間経っていた。どうです、軽くなったでしょうと言われたけれど、もみ返しでダルいし、どっと疲れたので分からなかった。けれども、運転して帰っていると、視界がすごくクッキリ見えるような気がした。今までぼやけていた街中の文字が読めるのが嬉しくて、文字を覚えたての子供みたいにそこらへんの看板とか、信号機の文字を読んだ。
治ったかどうかは、明日仕事をしてみないと分からないけれど、めちゃくちゃ痛い思いをしたので、治っていてほしいと思った。
マゾの人にはぴったりの整体だった。私はもうあんまり行きたくないけれど、ぜひ行ってみて下さい。