日記

どこにでもいる人の、ありふれた日記です。

アルバイトの話

さっきアルバイト先から電話があり、急にシフト入れないかどうか聞かれて、OKしてしまった。用事がないからといってじゃんじゃんシフトを入れると、大変なことになる。体力的にもつらいし、何より人手が足りない時まず私に電話がかかってくるようになる。頼られてるとかではなくて、利用されてるのだと何度も言い聞かせるけれど、結局、この日も人いないですよね。私入れますよと余計なことまで言ってしまう。

私は借金取りのアルバイトをしている。このアルバイトを始めたのは大学1年の秋。前の塾講師のアルバイトはあまりにもブラックだったので辞めた。(授業なんて任されずに、毎日3時間国語の教科書を朗読したものをボイスレコーダーに録音し続けてた。)

アルバイトなんてしたことなくて、ましてや人と話すことが本当に苦手で、(いまもだけど)いつも失敗して、客に怒られまくって、先輩に迷惑ばかりかけてた。だけど社内で私を怒る人は誰もいなくて、社会ってこんなに甘いのかと思うほど優しく教えてくれた。失敗を叱らないことについては賛否両論あると思うけれど、私は昔から怒られることに異常な恐怖を感じているので助かった。

3年くらい働いているといろんな人を迎えたり送ったりするけれど、こんなに居心地の良いコミュニティは初めてだ。なぜなら、あまり深く関わらないですむから。浅い関係だと皆良い人に見えて、冗談も交わすことができる。社内の人は同学年や後輩に対しても敬語を話し苗字で呼ぶ。帰宅時も仕事の話をしていれば良い。苦手な人がいても最小限の関わりで良い。だから私はガンガンシフトを入れて、ガンガン借金を取り立ててきた。

だけど最近、シフトを鬼のように入れられるようになったことが悩みの種である。原因として、①急激な人手不足に陥ることが分かっていながら人員を補給しなかった社員②自分勝手にシフトを変更する学生アルバイト③NOと言えない私 がある。

そうなのだ。私さえ「入れません」と言えれば全て解決する。シフト依頼をしてくるときも、強制的な雰囲気は全くない。むしろ、もし予定がなかったらで良いのだけど・・・という感じ。だけど予定はないし、人に頼まれると断れないという全く得にならない性格のせいでシフト表にマルばかりつくようになってしまった。毎月口座に振り込まれる金額は多くなっていくけれど、別にお金に困っているわけではない。一応奨学金(これも借金)を借りているし、幸せなことに親は働いているからいくぶんか仕送りを頂ける。働かなくても十分生活していけるのにこんなにもシフトをいれてしまう。「頼りにされている」という錯覚に陥っているのかもしれない。必要とされるのが嬉しいのだ。それは仕事ができるとかではなくて、いつでもシフト入れる便利な奴としてだけれど。

ライオンが子どもを谷底へ突き落とすように、そろそろ私もこの会社にすこし厳しくしなければいけないと思う。壁にぶちあたってから這い上がるための過程が、良い会社を作る上で必要なことだと思う。来月は絶対シフト減らしてやるからな。