日記

どこにでもいる人の、ありふれた日記です。

大学デビューなんて存在しない

高校生にもなると人格は完成してしまうので、いくら髪を染めようと劇的に変わることはできない。これから大学生になる人へアドバイスをするとすれば、今までの自分からかけ離れた自分になることは望まないで、身の丈にあった生活で満足すべきだということだ。
これは私が盛大に大学デビューを失敗したからで、その後の暮らしはしばらく辛い惨めなものになってしまった。
高校最後の春休み、まだ見ぬ大学生活に思いを馳せて、ワクワクしながらmixiで同じ大学の新入生と交流をしていた。気の合いそうな人がいればメッセージを送りあって、すっかり友達ができた気でいた。高校時代、あまり友達が多いほうでは無かったし、勉強ばかりしていたので、大学はたくさん友達を作って学校帰りに皆でアイスなどを食べたいと思った。
mixiではそれなりに友達がいたほうだと思う。入学式などで頑張って周りの人に話しかけもした。けれども、ガイダンスが終わって、授業が始まる頃になっても私の周りには誰もいなかった。茶色に染めてパーマをかけた髪も、親に買ってもらった大学用の服も、友達がいなければ何も意味がなかった。しかも、最初いろんな人に手当たり次第声をかけていたから、知り合いだけはやけに多いという状態になってしまった。その後何とかビジネス友達が一人だけできたのでたまに授業を一緒に受けたりしたけど、思い描いていた大学生活とは全く違うものになってしまった。それが原因ではないが、二年くらいは大学にあまり行かなかった。
そうは言っても、もし友達がたくさんできて、皆で受ける授業を合わせたり、誰かの家でたこ焼きパーティーをしたりするのも、耐えられないだろうなと思う。サークルを3つくらい掛け持ちしていた頃、飲み会や旅行に行って、すごく辛くなってしまった。だんだんサークルに行かなくなったし、私は、皆で楽しくするのが向いてないみたいだった。だから大学に行かずインターネットで遊んでいるほうが楽しかったんだけど、最初からそれに気づいていればもう少し居心地もよくなったかもしれない。
大学では、友達をたくさん作る代わりに一人でいることを手に入れた。高校までとは違い集団行動を求められることがないからだ。わずらわしい人間関係から解放され私はストレスフリーになっていた。大学生活を楽しむために友達の数は必ずしも重要ではない。一人でいることは、全く恥ずかしいことではない。
幸せなことに、三年目にして学校帰りにラーメンを食べるような友達ができた。私の大学生活は、それぞれ別のコミュニティに属する三人の友達と、承認欲求を満たすためのアルバイトと、一人の時間で形成されていた。友達が少なくても、平日の昼間に溜まった洗濯物を干して、そのまま窓を開けたまま昼寝をしていると、とても幸せだなと思うことができた。
結論を言うと、楽しそうに集団でいる大学生を見ると嫌な気持ちになるからあんまり姿見せないでほしい。