日記

どこにでもいる人の、ありふれた日記です。

死ぬこと

久しぶりに鮮明な夢を見た。私は大きなテーブルに座っていて、周りには家族とか友人とか、知っている人がたくさん集まっていた。どうやら、私の死ぬ日が決まったようだった。皆んな口々に残念である旨などを私に言ってきたけれど、私は、死ぬなんて大したことではないようにふるまっていた。でも本当は、こわくてしょうがなかった。死ぬ日は、痛くなく、眠るみたいに死ねることはわかっていた。ただ、死んだ後どうなるのかわからないことがこわかった。人生には特に未練はないし、周りの人に会えなくなることは残念だけれども、例えば、皆んなにもう会えなくて、知らない場所で生活していかなければならないことになったとしたら、たぶん受け入れることができる気がする。けれども死んだら今までより悪くなるかもしれないし良くなるかもしれないし、そもそもそんな概念すら存在しないかもしれなくて、わからないことがただこわかった。それなのに死ぬのを辞めることはできなくて、もう日にちも決まっていて、その日になったら絶対に私は死ぬんだった。今まで嫌だなと思ったことに対しては多少なりとも抗ってきて、それが失敗したこともあったけれど、自分の気持ちを持つことができていたのに、死ぬことに関しては、私の意思とは関係なく死ななくてはいけないのがさらにこわい。今まで割と死んだらそこまでで、しょうがないという考えで生きてきたけれど、こんなに死にたくないと強く思ったのは初めてだった。やっとそれに気付くことができたのに、やっぱり死ぬのは避けられないみたいだ。目が覚めると恐怖で身体が固まっていた。ふと横を見ると男の人が眠っていたので、こわい夢を見てしまったようだとわざと甘えて抱きしめてもらったけれど、心臓の鼓動はしばらく激しいままだった。