日記

どこにでもいる人の、ありふれた日記です。

健康な歯を抜いたときの話

皆んなあんまり経験したことなさそうなことがあって、私は、親知らず以外の永久歯を4本抜いてる。

私は前歯が出ていて、それはどうしてかというと、歯が大きいので混雑してしまって前歯が押し出されてしまってるみたいだ。なので、矯正をして前歯を引っ込めることにして、引っ込める空間を作るために歯を抜かなければならなくなった。上の歯2本と下の歯2本の計4本で、ちょうど八重歯がある位置の歯を抜くことにした。近所の歯医者さんに、紹介状を持って抜きに行った。部分麻酔で、麻酔をすること初めてだったんだけれど、歯ぐきに注射されて痛かった。針の先から何か、液体が流し込まれてるのがわかった。麻酔が効いてくるとだんだんと感覚がなくなってきて、歯ぐきに針が刺さってることもわからなくなった。そうしたら、先生がおもむろにペンチを取り出した。漫画とかに出てくるような、工具みたいなペンチだった。私は、それを見た瞬間、これから何が行われるのか瞬時に理解して逃げ出したい気持ちでいっぱいになっていた。実は車の修理をするためのペンチで、これからちょっと車直しに行ってくるねと言ってほしかった。当たり前だけれどそんなことはなくて、先生はそのペンチで私の健康的な歯をガッと掴んで、次の瞬間、思いきり引っぱった。医学の進歩とは、と絶望感であふれていた。体ごと引っぱられそうになっていたので、歯科衛生士さんに体を押さえつけられた。グッ、グッと引っぱっているうちにメキメキという音がしたと思ったら、グァアアンと歯が抜けた。しばらく放心状態で瞬きもできずに目を見開いていたら、歯科衛生士さんにあやされてしまった。ああ、今までありがとう。この歯もまさかここにきて、用なしとされるとは思わなかっただろうに、本当に申し訳ないことをした。おんなじ感じで、もう片方の歯も抜かれたんだけれど、もう片方は頑固で、きっとまだ抜かれたくなかったんだと思う、先生はかなり手こずっていた。私も今にも泣きそうになっていた。しばらくして、やっとグァアアンと抜けたんだけれど、抜いた衝撃で麻酔をしていない歯にペンチが当たって痛くて叫んでしまったら、隣で親知らずを抜きにきていた学生さんが怯えてしまった。その日は上の歯2本だけ抜いて、下の歯2本は後日抜いた。しばらくすると麻酔が切れるのだけれど、鈍痛がしばらく続いた。そりゃそうだと思った。けれども不思議なもので、何日か経つと傷が塞がってただの穴ぼこになっていた。

どうして今ごろ一年前の話をしているかというと、この間抜いた歯がリュックから出てきたので、漂白して飾ることにしたからだった。

 

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歯のホルマリン漬け

 

以外と、根元は長くて見えてるのは氷山の一角に過ぎなかったんだな。