日記

どこにでもいる人の、ありふれた日記です。

カップラーメンの思い出

お母さんはあまり料理が上手ではなかったし、休みの日も仕事に行くことが多かったので、土曜日のお昼はいつもお父さんと妹と3人だった。私たちは、言いつけられた通りお惣菜や冷凍食品を温めて食べるんだけれど、お父さんだけ、それに加えてカップラーメンを食べていた。カップラーメンは、お父さんのお小遣いで買ってたんだと思う、お父さんの荷物置き部屋の奥のほうからいつも持ってきていた。お母さんは、ごはんにカップラーメンを食べることを好まないみたいだったので、私は、カップラーメンを食べる機会があまりなかった。お父さんがカップラーメンを食べているのがとても美味しそうで、私はいつも少し欲しいとねだった。そうすると、半分くらいの確率でくれるんだけれど、カップラーメンのふたの裏側に、麺を3本くらい、乗せてくれるんだった。もう半分の確率では断られるけれど。私は、お行儀が悪いんだけど、ふたからそのまま麺をすすって食べる。ふたの上で麺は冷たくなっていて、スープもほとんどなかったけれど、すごくすごくおいしかったのを、今でも覚えてる。